外国語映画賞
アカデミー賞は「米映画の祭典」ですが、規定のノミネート条件を満たしていれば、英語音声以外で公開される映画(アメリカ以外の国で製作された映画を含む)であっても作品賞を含む本賞にノミネートされたり、あるいは受賞したりということは可能となっています。
ただし実際には、ハリウッドの関係者が選出するというシステム上、純粋な外国映画はノミネートはされても受賞に至ったことは少ないです。
ノミネート条件を満たしていないアメリカ国外制作の非英語作品の場合は、各国の映画産業が映画芸術科学アカデミーに推薦する形で「外国語映画賞」にエントリーされます。
「外国語映画賞」の第1回は、1946年の第19回で「特別賞」に選出されたイタリア映画の『靴みがき』。この時点で「外国語映画賞」という賞は存在せず、「特別賞」の一つという扱いでした。
『靴みがき』の選出理由は、「敗戦国であるイタリアが、創造精神を駆使して、敗戦の逆境を跳ね返す作品を作り出したこと」でした。
外国語映画賞2
1947年に「この年にアメリカ国内で公開された、最も優れた外国語映画」という理由付けで、フランス映画『聖バンサン』が選出されました。外国語映画賞の母体的な選考理由がここに初めて誕生、以後同選考基準によって、米国内で公開された優れた外国語映画が選出されるようになりました。
「外国語映画賞」という正式な賞として、これまでの特別賞から独立したのは1956年の受賞作のイタリア映画『道』からで、同年から各国推薦の作品を5本厳選してノミネートし、うち1本に賞を授与するという、現在のスタイルが完成しました。
一方、アニメーション作品など特定ジャンルの作品は、当該ジャンルの規定に沿った賞の対象となる(アニメーション作品で長編のものなど)が、作品賞を含む他の各賞の条件も満たしていればそれら各賞の選考対象にもなりうることになっています。